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WOTAが「WOTA BOX」シャワー設置で節約した水量が累計70トンを突破  〜9月は防災月間、災害時の避難現場における入浴環境について独自調査をレポート〜

PRESS RELEASE

水循環を用いた次世代の分散型水インフラの研究開発・事業展開を手がけるWOTA株式会社(本社:東京都文京区 代表取締役:北川力、以下「WOTA(ウォータ)」)は、災害時の現場をはじめ、水の確保が困難な環境において、水循環システム「WOTA BOX」の提供を通し、節約した累計水量が70トンを突破したことをお知らせいたします。また、9月は防災月間であることを受け、災害発生時における水を取り巻く問題として、入浴環境に関する状況や課題について、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震のケースを元にWOTAが調査したレポートを発表します。

WOTAは「誰でもどこでも水の自由を」をミッションに、AI水循環システム「WOTA BOX」を提供しており、2016年4月の熊本地震や昨年発生した平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震など、国内での自然災害発生時には、被災地の避難所に災害用シャワーパッケージの提供を行なってまいりました。災害により上下水道が断水した場合でも、「WOTA BOX」を設置することで、水循環の技術により水の確保が困難な状況においても、限られた水量で多くの方に入浴の機会を提供することが可能となります。これまでに、災害時の現場をはじめ、屋外イベントなど水の確保が困難な環境において、通常シャワー提供のために必要であると推測される累計71.4トン分の水をわずか50分の1のトンに削減し、累計70トン超の水の節約を実現いたしました。

■災害時、避難生活における入浴の課題
地震や台風、津波など海外諸国と比較しても自然災害の多い日本ですが、避難所ではシャワーすら浴びることができない状況が多く見られます。日本赤十字社が被災者を対象に行なったアンケート調査によると、災害時に必要とした支援として、1位:入浴、2位:睡眠、3位:トイレ という結果になっており、災害時の入浴には大きな課題があることが伺えます。入浴ができないことにより、避難や復興作業で汚れ、汗をかいたままで長期間過ごさねばならない精神的なストレス、そして、不衛生な環境での感染症蔓延など健康リスクも大きな懸念となります。

また、災害時、避難所などでの入浴が課題になる理由としては、大量の水の確保が困難であるという点が考えられます。避難生活において必要となる1人分の飲料水は約3リットルに対して、入浴には、シャワー50リットルが必要となり、例えば、100人が1週間避難生活を行う場合、入浴環境を提供するためには約35,000リットル、飲料水の15倍以上の水量が必要になることになります。またそれと同量の大量の排水も発生します。さらに、入浴施設などの場所提供を行うことが可能な施設や提供主が不足しており、災害発生から迅速に且つ恒常的に被災者の方に向けて入浴支援を実現することが困難なケースが多いことが実情です。そのような背景を受けて、WOTAでは、災害が起きてライフラインが途絶えても、 発電機やモバイル通信機を使って、生活に必要な機能を回復するのと同様に、 上下水道が断水しても、気持ちいいシャワーを浴びることができれば、避難所生活の苦痛が少しやわらぐのではないか、と考え、被災地の避難所に災害用シャワーパッケージの提供を行なってまいりました。

※東京都水道局のデータをもとにWOTA算出

※東京都水道局のデータをもとにWOTA算出

■北海道胆振東部地震 被災地での入浴環境の状況と課題

2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、道内全域にわたる停電(ブラックアウト)が発生。各地で大規模な土砂崩れなどにより水道施設にも被害があり、特に被害の大きかった厚真町、安平町、むかわ町の一部地域では約2週間もの長期間にわたり断水が続き、多くの方々が不便な生活を余儀なくされていました。

WOTAでは、災害時における入浴環境に関する問題について、水道被害で断水が続いた厚真町、安平町、むかわ町、3つの自治体での当時の状況を調査し、そこから見える課題や対策についてレポートします。

<まとめ>

●厚真町、安平町、むかわ町の住民のうち2人に1人が1週間以内に入浴できなかった可能性があり、さらに断水したエリアに絞ると74%もの人が入浴できなかったと推測される

※WOTA調べ

●発災から翌日までの2日間、厚真町、安平町、むかわ町、全ての自治体で入浴環境の支援はできておらず、全ての自治体で、既存の入浴施設での支援および、避難所や公共施設などでの自衛隊による入浴支援が開始されたのは、発災から3日目。全11箇所にて入浴支援が提供された。

※WOTA調べ

●住民数に対して、入浴環境の提供数が顕著に不足している状況はおよそ2週間続いた。また、既存の施設を活用する場合、避難所からの距離など、立地により需要と供給のバランスに大きな差が見られた。

●発災から3日目以降、自衛隊による避難所や公共施設における入浴支援でカバーできたのは、1日あたり600人分×5箇所=3,000人分。需要に対して大きくショートしていた。(3つの自治体の住民数は21,509人)

※自治体発表のデータや現地でのヒヤリングなどを元にWOTAが独自に調査を実施。

WOTAでは、安平町からの要請を受け、地震発生から6日後の2018年9月12日より、自衛隊・公衆浴場等による入浴支援が受けられなかった安平公民館避難所(避難者数約30名)及び近隣住民の方々に対して入浴支援を行いました。

■WOTA入浴支援実施概要
場所: 北海道安平町安平公民館・駐車場
期間: 2018年9月12日〜13日
設置台数:2台
シャワー提供人数: 約50人
提供先団体: 安平町・安平地区自治会

(感想)一部紹介 

70代・男性
「家の中がぐちゃぐちゃで、昼はずっと片付けをしてます。 汗だくで避難所に帰っても風呂に入ることができない状態だったのですが、 シャワーを浴びられて、明日も頑張れそうです」

60代・女性
「私は足が悪く、遠くの入浴支援場所までなかなか行くことができませんでした。避難所の近くでシャワーを浴びられるのはとてもありがたいです」

10代・女性
「公衆浴場の解放もありましたが、混雑してて気が休まりませんでした。久しぶりにひとりでシャワーを浴びることができて、リラックスすることができました」

このたびのWOTAによる北海道胆振東部地震の被災地での支援取り組みは、まだ小規模なものですが、WOTAでは、2018年から神奈川県や鎌倉市などと連携し、災害発生時の支援取り組みだけではなく、平常時から災害に強いまちづくりに向けた取り組みを積極的に行っています。今後、さらに全国の自治体との連携も強化することで、災害時だけではなく、平常時から自治体や地域住民自らが災害に対する備えをより気軽に行えるよう、自助・共助・公助を促進するサポートして行きたいと考えています。

今後も、WOTAでは、「誰でもどこでも水の自由を」の実現に向け、プロダクト・サービスの改善に努めるとともに、研究開発・事業展開をより一層強化して参ります。

■WOTA BOX ― AI水循環システム ― 概要
「WOTA BOX」は、シャワーをはじめ様々な水回り設備に接続可能な水循環システムです。水循環の技術により、排水をろ過して繰り返し循環させることで、100Lの水で約100回のシャワー入浴を実現したり、排水の量を通常の50分の1以下に抑えることが可能です。 配管工事が不要で電源さえ確保できれば短時間で設置して快適な水をお使いいただけるため、災害時をはじめ、屋外イベントなど様々なシーンでの活用が期待されています。 AI による水質監視・管理により、常に安全な水をご利用いただけます。

「WOTA BOX(ウォータ・ボックス)」及び「災害用シャワーパッケージ」

【会社概要】
WOTA株式会社(https://wota.co.jp/
本社所在地:東京都文京区本郷四丁目12番5号 トーセービル2階
設立   :2014年10月
代表者  :代表取締役 北川 力
事業内容 :水処理装置の製造・開発、アルゴリズム開発

【お問い合わせ先】
一般問い合わせ:WOTA株式会社 お問い合わせフォーム:https://wota.co.jp/
メディア問い合わせ:WOTA 株式会社 広報担当:pr@wota.co.jp

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