WOTAのマスタープラン

WOTAは、人類の淡水利用の問題を解決するために存在する会社です。
そのためには何が必要か、その話をしたいと思います。

WOTAの目的

人類が水を使うと、必ず排水が発生します。排水は貴重な水を無駄にするだけでなく、もともと存在する淡水源を汚染して使えない水にしてしまう場合もあります。もし、私たちが排水を、もう一度使用可能な水に変えることができれば、水不足や環境汚染など、水に関するさまざまな課題が解決するでしょう。WOTAの目的は、水を使っては捨てる水道依存社会(大規模集中型)から、小規模分散型水循環社会への移行を実現することです。

大規模集中型から小規模分散型のライフラインへ

ライフラインは、20世紀においては大規模集中型でしたが、21世紀に入って小規模分散型に移行してきました。どんどん小さく個人的なものになった結果、通信は携帯電話によってポケットに収まり、エネルギーは巨大な発電所のみに依存せずとも、各家庭にバッテリー・ソーラーシステムを設置して自給自足できるようにイノベーションが進みました。

大規模集中型の場合、都市単位(場合によっては数百万人単位)で数十年かけて整備し投資回収することになります。一方で、小規模分散型は、一人単位から、たった1日で整備が完了し、家電のように数年で償却することが可能になります。
別の側面から見ると、施設毎に個別的なライフサイクルをもつ土木建設業型から、共通化されたライフサイクルをもつ製造業型のシステムへの移行が進むことにより、抜本的に効率化されます。

小規模分散型水循環社会の実現

小規模分散型水循環型社会の実現のためには、小型かつ高効率な水再生処理設備が必要不可欠です。WOTAの最初の製品は、WOTA BOXという、可搬型の水再生処理プラントで、生活排水の98%以上を再生して循環利用することを可能にします。水道による都市単位の水循環を、わずか0.25立米のサイズの装置で実現。宇宙ステーションの水再生率60〜80%を大きく上回る効率を誇ります。

WOTA BOXがあれば、各家庭において、水を使ったその場で排水を再生し循環利用することで、水道がない状況下での継続的な水利用を可能にします。また、人類の水の利用効率を従来の50倍以上に高めることで水不足を抜本的に解決し、排水を極小化し完全にコントロールすることで環境汚染のリスクを最小化します。

水処理の自律制御技術

WOTAのコア技術は、水処理の自律制御です。水処理設備のオペレーションは、従来、酒蔵の「職人」のようなアナログかつ経験則に基づいていました。WOTAは、従来の数十万分の一のサイズの水処理設備の高度管理を実現するために、独自のセンサー及びAIの技術によって、無人での水処理自律制御の精度向上に注力してきました。

これまで水処理の分野では、膜や薬剤、微生物などの水処理部材の改良が、研究開発中心テーマでしたが、我々は計測科学とコンピュータ科学の世界で、水処理にイノベーションを起こしました。これは、ある意味では、水処理の基本ソフトウェア(Operating System)です。実は、今後世界中の水処理設備が、WOTAの水処理OSで自律制御できる可能性があります。

一番のポイントは、水処理の動的制御にあります。水処理系は、インプットの水質が常に変動し、水処理部材の状態も常に変動する複雑系であり、アウトプットの水質を自在にコントロールするためには、水処理の動的制御が必須です。道路の形状や他の車の状況に応じて柔軟に自動運転車が走行するように、WOTAは水処理の動的な自律制御を実現しました。

これまで水再生のボトルネックはそのコストにありましたが、WOTAの自律制御技術によって、水再生のコストは15分の1程度まで低減されました。

今後の課題は何か

WOTAの製品は、全世界へ普及するべき製品ですが、課題が一つあります。それは、なるべく早期に水道のコストを下回ることです。

今、WOTAの水再生処理のコストは、北欧諸国の水道料金(10〜12USD/t)よりは安く、北米の水道料金(4〜5USD/t)よりはやや高い、という水準です。最終的には、2.2USD/tを実現することで、WOTAの製品は、世界のあらゆる場所で経済的にも合理的な選択肢となるのです。

参加者が増えれば増えるほど、水問題の解決が加速する

WOTAの水再生処理は、参加者が増えれば増えるほど、コストが下がります。「More Sales(販売量の増大)」と「More Usage(使用量の増大)」が、「Lower Costs(コスト低減)」に直結するためです。

ほとんどすべての新技術に共通して、初期の製品はその最適化が行われるまでユニットコストが高くつきます。これはWOTAも例外ではありません。急成長するテクノロジー会社として、できるだけ早くコストを下げて次の製品を市場へ出すため、フリー キャッシュフローはすべて研究開発に充てられます。つまり、WOTAを購入した人は実質、コスト低減のための資金繰りに協力したことになります。「More Sales(販売量の増大)」によって水道よりもWOTAの方が経済合理的な地域が拡大し、小規模分散型水循環社会への移行が加速します。

また、「More Usage(使用量の増大)」によって、データ量が増えれば増えるほど、WOTAの自律制御技術のレベルがさらに向上します。これも「Lower Costs(コスト低減)」に寄与します。WOTAは、参加者が増えれば増えるほど、より広い地域において展開可能となり、さらに参加者が増える。この好循環(Loop)の連鎖によって、加速度的に小規模分散型水循環社会への移行が進むことになります。

最後にマスタープランをまとめると:

2024年:水道+WOTAの実現。水道補完の社会インフラ化。
2026年:WOTAのコスト<水道コストの実現。水道代替の実証完了。
2030年:WOTA初期導入コスト0の実現。水道代替の社会インフラ化。