Water Issue Resolution Projects

人類の生活と地球の未来に関わる水問題。

必要な場所に必要な分だけ設置可能で、 使った水をその場で再生循環できる “小さな水インフラ”が社会に実装されれば、 世界の水問題の普遍的な 解決方法のひとつになりえるでしょう。

このページでは、 「小規模分散型水循環システム」の普及を目指して WOTAが現在取り組んでいる プロジェクトを紹介します。

Water 2040

  • 上下水道が抱える財政課題

    上下水道が抱える財政課題の補足写真

    高度経済成長期から百兆円以上の多額の建設費を投じて整備された日本の水道は、世界有数の高い品質と98%もの普及率を誇ります。
    しかし、その裏側では慢性的な財政赤字が続いており、上下水道を合わせた負債総額は51兆円まで膨らんでいます。さらに、これから加速する「人口減少」と「老朽化設備への更新費用の増加」の二重苦で財政はますます悪化します。2040年には毎年の赤字総額が年間の収入総額を上回る「4兆円」を超えてしまいます。
    次の世代へ、水に困ることのない豊かな生活をつないでいくためにも、水インフラの「持続可能な財政確立」は我々が直面する喫緊の課題です。

  • 小規模分散型水循環システムによる解決

    小規模分散型水循環システムによる解決の補足写真

    水道の財政赤字を改善するために、「広域化」、「官民連携」、「料金値上げ」など様々な施策が検討されてきましたが、いずれも「人口が少ない地域では、収支が合わず赤字が発生してしまう」という構造を根本的に解決できる手段にはなりません。
    そこで我々は、「水の再生技術」と「水インフラの分散化」に着目しました。使った水をその場で再生循環する「小規模分散型水循環システム」を活用し、水インフラを「分散化」すれば、配管工事などの莫大な建設費用が不要になります。それにより、給水・排水処理コストを大きく引き下げ、自治体の水道事業における赤字を改善。水インフラ全体の財政を持続可能なモデルにシフトできます。

  • 『Water 2040』プロジェクトの始動

    『Water 2040』プロジェクトの始動の補足写真

    長年にわたって技術開発を続けてきたWOTAは、2023年、水問題に悩む自治体とともに先行的な社会実証プロジェクト『Water 2040』を開始しました。人口減少が加速し、老朽化水道の更新投資が困難な愛媛県の過疎地域と、原水不足で給水コストが非常に高い東京都の利島村で、水循環システムを実際に設置し、住民が普段通りの生活を行う社会実証を行っています。
    今回の実証の後、問題が特に深刻な自治体からの展開を計画しています。まずは2023年までに「給水原価が高く住民生活にまで水問題が顕在化した地域」から先行的に導入を開始しています。そして、2030年までに、「財政赤字で老朽化配管を更新しづらい自治体」の代替手段として全国に広げていきます。それから2040年には、「人口密度が低いエリア」の標準的な水インフラとなり、次の世代が安心して水を使える持続可能な社会の実現を目指します。