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私が環境問題を初めて強く意識したのは、2005年の夏のことでした。
中学校の夏休みに訪れたアメリカ合衆国メリーランド州で、私はアル・ゴア元副大統領のスピーチを聞くことになりました。彼が語ったのは、次のようなことです。
「環境問題は政治家の世界だけの問題ではなく、科学者の世界だけの問題でもない。それはすべての人類が共通に関わる倫理的問題である。だからこそ、環境問題の解決に参加することで、全人類がひとつに繋がることができる」
私はそのとき、“環境問題”という言葉を抽象的にしか理解できませんでした。具体的な経験が追いついてきたのは帰国後のことです。地元・徳島県にほど近い瀬戸内海の豊島で起こっていた、土壌や地下水の汚染による公害を目の当たりにしたのです。
その夏、環境問題は私の人生のテーマになりました。それは「誰かが引き起こした解決不能の社会問題」としてではありません。「世界中の人と繋がることができるチャンス」として心に刻みつけられたのです。
2005年から現在までに、世界人口はおよそ15億人も増加しました。21世紀半ばまでに世界人口はさらに20億人増え、100億人を超えると予測されています。環境問題、特にヒトの生存に必要な水などの資源問題は、人口増加とともに急速に深刻化しています。
しかし、私は絶望はしていません。環境問題というテーマのもと、100億人もの人々が結束するチャンスが高まっているともいえるからです。

WOTAは、世界の水問題の根本解決を目指す企業です。言い換えれば、水問題の解決に100億人が参加できるような手段を作る企業です。
水問題を解決したいと願う人は、地球上に何十億人も存在するはずです。逆に水問題を解決すべきでないと考える人は、なかなか見つからないでしょう。それでもなお、何億人もの人々が渇水や不衛生な環境、高すぎる給排水コストといった水問題に苦しんでいるのは、なぜでしょうか。
それは、水問題を解決する主な手段が上下水道以外に存在しないからです。水処理施設や管路網の整備は大規模な土木建設プロジェクトであり、設計や施工や運用にそのつど高度な専門知識を必要とします。地理的条件や社会的条件に応じたオーダーメイドなので、ある地域の上下水道をそのままコピーして別の地域に整備することはできません。
しかし、より“標準化”が進んだ解決手段さえ確立されれば状況は変わります。標準化された解決手段とは、専門知識がなくとも、どんな場所であっても、一定の条件さえ満たせば誰でも利用可能であるということです。WOTAは2014年の創業以来、上下水道を補完・代替できる水インフラの新標準を目指して、研究開発と社会実装に取り組んできました。
WOTAが開発する「小規模分散型水循環システム」は、住宅などで発生する生活排水と雨水を回収し、その場で安全な生活用水に再生することができる装置です。水処理施設の機能を世帯単位まで小型化・分散化し、水の再生循環を自律制御するデジタル技術も組み合わせることで、世界のあらゆる人があらゆる場所で使える水インフラが誕生しました。
WOTAのプロダクトはすでに、災害対応を契機として日本全国の自治体に導入されはじめています。2021年にイギリス王室から表彰を受けたのを機に海外での事業開発に着手し、現在は技術者や研究者、協力企業が世界中から集まるようになってきました。
標準仕様のプロダクトは、千差万別の土木建設プロジェクトよりも遥かに素早く世界に広がっていきます。WOTAは「水処理×デジタル×製造業」という新たな事業モデルで、言語や業界を問わず誰もが水問題の解決に参加できる未来を目指しています。

WOTAが理想とするのは、最大でも100人規模の小さな組織体制です。
水問題の根本解決という前例のない挑戦に挑むためには、あらゆる側面でトライアル・アンド・エラーを繰り返せる機動的な組織が必要だからです。製造業型の事業モデルを採用する限り、少人数の発明集団であっても外部とのコラボレーション(協働)によって世界中にプロダクトを届けることは十分に可能です。
問題解決に向けた人類の参加と結束を目指すからこそ、WOTAは自社組織においても人間的な関わりを重視します。業績評価や金銭的な報酬で社員を駆り立てるのではなく、一人ひとりの事情や動機と向き合い、自発的な成長を促すような組織でありたいと考えています。
そんなWOTAのコアメンバーとして参加する仲間に対し、私たちが何よりも求めるのは、“世界”と“人類”に対する想いです。
水問題の根本解決とは、単なる資源分配の調整にとどまらず、人類の資源利用のあり方そのものを循環型へと変革することです。人類史の1ページとなるようなこの非線形変化を達成するには、世界一・世界初の試みを成功に導くという野心や情熱が欠かせません。
また、世界中の人と言葉を超えて繋がりたいという共感や好奇心も重要です。WOTAの仕事は人類全体が協働する新たな方法を模索することであり、その報酬として得られるのは、志を同じくする世界中の人々とのネットワークだからです。
そして、世界のため、人のために生きたいという利他精神も大きな支えとなるはずです。

世界の水問題の根本解決という高い目標に対して、課題はあまりにも多く、WOTAは常に“持たざる者”としての挑戦を余儀なくされます。だからこそ私たちは、あなたがどんな能力や手段を持っているかということよりも、あなたが何をしたいかという目的を大切にします。あなたがこのメッセージを読んでわくわくする気持ちを抱いたとしたら、ぜひ、一緒に世界への挑戦を始めましょう。

代表取締役 兼 CEO

WOTA's Culture

WOTAは人類にとっての様々な資源問題のうち「水」に焦点を当て、その普遍的な解決への実現を存在意義とするチームです。
WOTAの組織カルチャーをご紹介します。

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