プロダクトによって、水と人との関係を再定義し、人々の環境問題への意識を変える

幼少期をシリコンバレーで過ごす。小学生時代に子ども代表として参加した世界水フォーラムで水問題に興味を持ち、大学・大学院にて環境工学、サステイナビリティ学を学ぶ。各種水処理技術・製品に対する知見、世界の水事情に対する理解があり、WOTAでは購買および開発のプロマネを担う。東京大学大学院修士課程修了。修士(サステイナビリティ学)。

Q1:現在の業務内容は?

主に開発計画の策定や開発チームのマネジメントと、調達・生産管理です。
開発の牽引において、特に大切にしているのは、トップダウンになりすぎないこと、開発チームのみんなが自発的にやりたいことをやれる環境を作っていくことです。開発にかける思いとしては、まだ見ぬ新しいインフラの形をなるべく具体的に提示したいという点と、それを技術やデザインを用いて作る過程の試行錯誤を大切にしたいという点があります。

 
そのほか、調達は、製品に使用する部材類の製造業者さんへの発注やその原価コントロールを行うことです。また、生産管理は、製品の製造を依頼する工場さんとのコミュニケーションによって設計仕様通りの製品ができあがるように調整することです。

 

Q2:いままでの経歴と創業の決め手は?

水との最初の接点は、アメリカからの帰国後すぐに参加した世界水フォーラムです。そこで感じた水問題と世代間倫理、というのが人生を通した自分のテーマだったように思います。背景としては、小学生時代の大半をアメリカ・カリフォルニアで過ごす中で、グローバルに広がっている問題を意識する機会が多かったように感じます。また、大学・大学院・前職と、サステイナビリティ教育に関して、様々な経験を積みました。前職では、スタートアップを支援するNPOに所属し、社会起業のためのアクセラレータープログラムの立ち上げを行いました。教育というテーマのもと活動する中で、徐々に自分のプレイヤー像が見えてきた、そんな時期でした。

 
そんな折、大学院時代の研究室の同期の北川から起業に誘われました。北川とは在学当時より活動を共にすることが多く気心が知れていたこと、またそれ以上に彼のビジョンに共感したことが決め手となり、WOTAの前身となる株式会社HOTARUを共同創業しました。特に、生活者視点で今までブラックボックス化していたインフラのあり方を変えていくことで、課題解決とともに、生活のあり方や水との関わり方が根本的に変わるという点に共感を覚えました。環境問題は深刻化するまでシリアスに捉えられない傾向があります。水道インフラや渇水といった問題が徐々に顕在化しつつある中で、どんな面白い提案を提供していけるのか、それによって人々の関心が環境問題に向くのではないか、そう思って非常にわくわくしたのを、よく覚えています。

 

Q3:今後の展望は?

未来をつくっていくという意識は常にありますが、私にとって一番の喜びは現場の一つ一つのことの中にあることが多いです。WOTAでは災害時に出動要請をいただくことが多く、平成28年4月熊本地震、平成29年7月九州北部朝倉豪雨、平成30年7月西日本豪雨と、被災地支援に駆けつけました。被災地をはじめとした現場で、直接困っている人たちにとって少しでも役立っていると感じる瞬間。現場でいままで合わなかったようなひとたちと遭遇する瞬間。そのような瞬間にやりがいを感じることが多いです。

 
今後の展望として、そうした一つ一つ積み重ねの中で、大きなビジョンの実践をしていきたいと考えています。水問題へのソリューションは世界、企業によってさまざまで、小規模分散型の水処理事業は、まだあまり検討されていない分野です。既存の選択肢を代替するというよりも、新たな選択肢として。また「水インフラを個人で所有する」という、一見極端とも思える手段をとることで見えてくる新しい発見にも期待したいです。